プロジェクト
プロジェクトを通じて、社会における実践的な能力を高めることができるのもデザインストラテジー専攻の大きな特徴です。プロジェクトの内容は多岐にわたり、授業の一環として進めるものもあれば、学生が主体的に計画し、参加するものもあります。
これまでに実施されてきたプロジェクトの一部をご紹介します。
また、学生の制作活動につきましては、学生作品ギャラリーもご覧ください。
九州の河川環境向上に向けてのデザイン提案
担当教員:森田昌嗣・曽我部春香 / パートナー:国土交通省九州地方整備局
河川空間は、散策やスポーツなど人々の憩いの空間であるとともに自然空間であることから危険を内在しています。そこで日常的には利用者に河川に関わる情報をわかりやすく伝え、緊急時には速やかに情報伝達ができるシステムの構築が重要です。
本プロジェクトでは、河川環境向上のための具体的な改善策の立案を行い、国土交通省九州地方整備局河川部に対しプレゼンテーションします。
ミュージアム・デザイン・プロジェクト
担当教員;平井康之・藤智亮 /
パートナー:国立民族博物館(大阪)、いのちのたび博物館(北九州)、福岡市博物館(福岡)、九州大学総合研究博物館(福岡)
博物館・美術館のこれからの展示デザインのあり方を、ユーザー、展示内容、およびその間を介するメディア(展示物の表現を含む展示環境)としてとらえ、ユーザーの視点からインクルーシブデザインのアプローチを用いてデザイン提案に結びつけます。
大阪の「国立民族学博物館」、北九州の「いのちのたび博物館」、「福岡市博物館」、「九州大学総合研究博物館」の調査を実施し、九州大学総合研究博物館新展示室のデザイン提案を実施します。
大型マルチ映像システムWATCHOUTによる新コンテンツ企画
担当教員:脇山真治 / パートナー:WATCHOUTの日本における輸入代理店
WATCHOUTはアメリカのDataton社が開発した、マルチ・ディスプレイの制作及び、プレゼンテーション・システム用のソフトウエアです。
すでに国際会議、博覧会、展示会等での利用実績がありますが、まだ発展途上のソフトです。本プロジェクトでは、WATCHOUTを使ったサンプルコンテンツの制作を通して、従来の利用範囲を超えた、応用的な活用方法を提案します。
スタイルノート釜山・福岡
担当教員:池田美奈子・佐伯謙吾 /
パートナー:釜山・福岡アジアゲートウェイ2011実行委員会(福岡市、釜山広域市、東西大学校ほか)
福岡市と韓国・釜山市が共同で取り組んでいる観光振興プロジェクト「釜山・福岡アジアゲートウェイ2011」の一環として、両都市で生活する市民の「スタイル」を紹介する、一般の旅行ガイドとは異なる視点のガイドブックを企画・制作しています。
プロジェクトの目的は本の出版だけでなく、むしろ企画・編集・制作プロセスのなかで、国の違いや分野を超えた人々のネットワークを構築することです。この人的ネットワークが将来、新たなプロジェクトのエンジンになることを期待しています。2009年11月に第1号「Student Life」を発行しました。2011年までに、5つのテーマで全5号を順次出版する予定です。
イグサ商品ブランドデザインプロジェクト
担当教員:清須美匡洋・森田昌嗣 / パートナー:筑後地域のい草メーカー4社
筑後地域(大木町、柳川市、大川市を中心とした4市3町)の4つのい草メーカーに、商品ブランド開発を提案します。
メーカーのノウハウを調査し、自主プレゼンテーションを行ない、具体的な製品開発までネゴシエートし、流通経路の調査および販売活動を含むトータルな提案を行なうプロジェクトです。異素材を取扱う企業とのコラボレーション商品の開発の提案も同時に行います。
インサイトに基づくサービスデザインの提案−エアラインを対象として
担当教員:田村良一・都甲康至 / パートナー:スターフライヤー
観察調査やシナリオ・ライティングといった定性的な手法を用いて,ユーザーの本質(インサイト)を見出し,新たな価値提案を行う。
まずは手法自体について,既往研究などをレビューするとともに,エアラインにおけるサービスデザインに焦点をあて,調査,分析,デザイン提案を行います。
モビリティをテーマにした新・映像表現創造プロジェクト
担当教員:都甲康至・富松潔・松隈浩之 / パートナー:トヨタ自動車および大日本印刷
モビリティをテーマにした新しい映像表現を、3Dコンピュータグラフィックス、フォトリアル、ノンフォトリアルなどの画像表現と、メディアアートやインタラクティブコンテンツへの展開の2つの視点から探求します。
調査、ディスカッション、実制作を踏まえた実験映像、もしくはプロトタイプの制作をゴールとし、実社会での活用提案を行います。本プロジェクトの成果はトヨタ自動車と大日本印刷の関連部門に提案します。
これまでの作品は、http://www.new-mobility.com/index.htmlのホームページで公開しています。
駅のデザイン・イノベーション
担当教員:清須美匡洋・近藤康夫 / パートナー:自主プロジェクト
高齢化社会や地域格差が進む中で、地方都市における駅は、地域のため、住民のため、どんな役割が果たせるのかを考えます。
具体的に西鉄の駅を対象とし、外部評価を交えた「10年後の駅の未来」を、三つのステップを踏まえ提案します。外部評価を交え、最終的には出版および展示会を行います。
福岡・大橋をデザインする−集まり住むかたち“都市の魅力創出”プロジェクト
担当教員:森田昌嗣・佐伯謙吾 / パートナー:福岡市南区役所
都市や地域の諸条件を踏まえ,人々の活動にふさわしい場を形成するために、施設や装置,事柄などの諸要素を具現化する街のデザインを行います。
福岡市南区大橋地域を対象として,集まり住むための都市の魅力創出のあり方を検討し具体的なデザインの提案をします。
東京デザイナーズウィーク2009
[参加学生] 森・藤谷・永留(芸術工学府)、高田・中橋・真辺・山田・藤山・井手・岡・國司・中西・長野・橋本・安田(芸術工学部)、有働・黒木・河原・曽我・西田・芳賀(統合新領域学府)
「東京デザイナーズウィーク」毎年11月初旬に東京の明治神宮外苑で行われる大規模なデザインエキジビションです。
この日本でも有数のデザインイベントに、学生が自主的にチームを結成して毎年出展しています。4月中旬に参加者募集の説明会を開き、5月に方向性を検討するミーティングを開くなど、半年かけて出展に挑む、一大プロジェクトです。
2009年は、デザインストラテジー専攻を始めとする芸術工学府、統合新領域学府の院生、芸術工学部の2年生から4年生までの学生21人が参加しました。途中で中だるみがないよう、スケジュール管理をしっかりすること、そして学年差がある集団の中で、いかに皆が意見を出しやすい環境を作るか、この2点が特に大変でした。最終的には7作品を出展し、その内2作品が学生賞にノミネートされ、そのうち1作品が見事受賞、加えて学校賞を受賞という成果を残しました。来年の出展へ向けてさらに士気が高まっています。